公益活動

近畿税理士会では、税理士の職能を公共的な事業や活動に活かすことにより社会貢献を行うことを「税理士が行う公益活動」と位置づけて取り組んでいます。
税理士の日常業務により培われた能力を、他の制度に活用することで、その制度の安定的、継続的発展に寄与し、これが日本社会の発展につながるように活動しています。現在、税理士は地方公共団体の外部監査人・監査委員のほか、成年後見人、登録政治資金監査人などに就任し、多方面で活躍しています。

成年後見制度

成年後見制度とは

認知症などで判断能力の不十分な方が、身上監護や財産管理(貴重な財産の保全と管理)の支援を受け、「自分らしく」「安心して」生活するための制度です。

法定後見制度・任意後見制度

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度は、すでに判断能力が不十分となった方の法律面・生活面の支援をするために、本人や親族などが家庭裁判所に申立てをして、成年後見人等を選任してもらう制度です。
任意後見制度は、本人の判断能力がある時に、あらかじめ信頼できる代理人を定めて、公正証書により契約をしておく制度です。公正証書には、将来、判断能力が不十分になった場合、自分に代わって代理人に、預貯金や不動産の財産の管理、自分の意思を尊重した遺産分割の実行、介護・福祉・医療サービスの利用手続きなどを支援してもらうように定めておきます。

成年後見制度について相談したいときは

近畿税理士会では「成年後見支援センター」を設置し、税理士が成年後見制度の相談に応じています。詳しくは成年後見支援センターのページをご覧ください。

地方公共団体監査制度

地方公共団体における監査制度

地方公共団体の行政は、住民からの税金を主な財源にして運営されており、その事務を処理するに当たっては住民の福祉の増進に努め、最少の経費で最大の効果を挙げるとともに、その組織及び運営の合理化に努め、その規模の適正化を図らなければなりません。行政が公正で合理的かつ効率的に行われているかどうかについて、住民は知る権利を持っているとともに監視することが必要です。
しかし、住民が地方公共団体の事務の執行に対し、日常的に批判や監視をすることは困難であることから、住民に代わって、監査委員が監査を行うという制度が「監査委員制度」であり、外部監査人が監査を行うという制度が「外部監査制度」です。

監査委員制度とは

監査委員は、都道府県や市町村などの地方公共団体の機関(執行機関)のひとつです。監査委員は、知事等の指揮監督に服さず、独立した立場で、地方公共団体の行財政が法令に準拠して適正に行われているか、また、効果的、合理的、能率的に行われているかを監査します。
監査委員は、識見者と議選者で構成されます。識見者とは、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する人のことをいいます。また、議選者とは、議員のうちから選任された人です。 監査委員が監査を実施した場合、監査報告書を作成し、これを議会及び長等に提出し公表しなければなりません。また、この監査報告書に添えて、監査の結果に関する意見も提出することができます。

地方公共団体外部監査制度とは

地方公共団体外部監査制度とは、都道府県や市町村などの地方公共団体が行っている事務を、地方公共団体の組織に属していない外部の専門家(=外部監査人)が監査することをいいます。この外部監査人になれるのは、税理士、弁護士、公認会計士、公務精通者です。
長年、地方公共団体の監査は、地方公共団体の執行機関である監査委員による監査委員監査(内部監査)が実施されていました。
しかし、この監査委員監査は、内部による監査であり、独立性の問題や専門性の問題、不正事件の未然防止ができないことによる機能性の問題について指摘されていました。そこで、平成10年、この問題を解決するため、従来の監査委員の行う監査に加え、外部から監査を行う外部監査制度が導入されました。

関連情報

地方公共団体における監査制度と税理士

地方公共団体の監査制度の充実・強化については、地方制度調査会「今後の基礎自治体及び監査・議会制度のあり方に関する答申」(平成21年6月)の中で、監査委員の専門性を高めるという見地から、税理士等の専門的有資格者の積極的登用の促進や包括外部監査の監査方法の見直しなどを明記し、地方公共団体の監査制度の充実に積極的に取り組む方向性が示されました。
このような状況に鑑み、日本税理士会連合会及び地域の税理士会では、監査委員制度、外部監査制度双方に対応する研修会を実施するとともに、外部監査人及び監査委員の業務を遂行するにあたり必要不可欠な地方自治制度、地方公共団体等の財務と会計、地方自治における監査制度及び財政健全化法の概要等をテキストとして取りまとめています。
税の専門家である税理士は、健全な地方公共団体の運営、住民の視点に立ったよりよい地域自治に貢献するため、監査委員として、また外部監査人・監査補助者として全国で活躍しています。

政治資金監査制度

政治資金監査制度とは

「政治資金規正法」が平成19年12月に改正され、国会議員関係政治団体については、あらかじめ、収支報告書、会計帳簿、領収書等について、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(政治資金適正化委員会の登録を受けた税理士、弁護士、公認会計士)による政治資金監査を受けることが義務付けられました

政治資金監査制度と税理士

税理士は、登録政治資金監査人の有資格者です。
登録政治資金監査人が監査することにより、政治資金団体の収支報告の適正性が確保され、延いては、政治活動の公明性・公正性を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することが期待されます。

関連情報

社会福祉法人制度

社会福祉法人制度と税理士

社会福祉法人制度について、経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上等の改革が進められています。
社会福祉法人の監事として税理士等を登用することが望ましいとされているほか、一定規模以上の法人に対して会計監査人の設置が義務付けられています。また、会計監査人の設置義務の対象とならない法人にあっては、財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援について、税理士又は税理士法人等を活用することが望ましいとされています。
その他、社会福祉法人が保有する財産について、事業継続に必要な財産の額を控除した上で、再投下可能な財産(社会福祉充実残額)を算定しなければならないこととされています。社会福祉充実残額が生じる場合には、社会福祉充実計画を作成し、その実施費用に充てなければなりません。社会福祉充実計画を作成にあたっては、税理士等への意見聴取が必要となります。 このように、社会福祉法人制度には税理士又は税理士法人が大きく関与しております。

関連情報

NPO法人制度

NPO制度とは

NPO法人は、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づいて設立される法人です。
このNPO法は、阪神・淡路大震災の発生をきっかけに、市民のボランティア活動に対する関心の高まりを背景に、平成10年3月に成立しました。
NPO法人を設立するには、10人以上の仲間があつまり、所轄庁となる都道府県(2以上の都道府県に設置する場合は内閣府)に定款など所定の書類を申請し、そこで認証を受けた後、登記をすることにより成立します。ただし、(1)法人の事業目的が特定非営利活動であること、(2)特定の個人や団体の利益を目的としていないことなどの条件があります。
NPO法人は、事業活動を所轄庁の都道府県を通じて情報公開をしなければなりません。この公開情報をもとに市民や企業などからの寄附を集い、この寄付によって活動を継続しています。

NPO法人と税理士

税理士は、NPO法人が安定的に継続した活動が行えるよう、『税務・会計アドバイザー』として、税務や会計の面からアドバイスしています。また、NPO法人が認定NPO法人になれるようバックアップしていきます。

行政不服審査制度

行政不服審査制度とは

行政不服審査制度は、行政処分に関し、国民がその見直しを求め、行政庁に不服を申し立てる手続をいい、簡易迅速な手続により、国民の権利利益の救済を図ることを目的とした制度です。
昭和37年の行政不服審査法制定以来、50年以上、実質的な法改正がありませんでしたが、関係法制度の整備・拡充を踏まえ、公正性の向上、使いやすさの向上、国民の救済手段の充実・拡大の観点から、時代に即した見直しを実施し、平成26年に全面的に改正されました(平成28年4月施行)。
行政不服審査法改正により、(1)審理員による審理手続・第三者機関への諮問手続の導入、(2)不服申立ての手続を「審査請求」に一元化、(3)審査請求期間を3カ月とすることなど、抜本的な見直しが行われました。また、行政不服審査法の特例等を定める関係法律(国税に関する不服申立手続について定める国税通則法を含む。)については、行政不服審査法と同等以上の手続水準の確保を基本に、不服申立前置の廃止・縮小を踏まえた改正がされました。
なお、地方税に関する不服申立手続については、基本的には行政不服審査法の定めによることとされています。

行政不服審査制度について:解説図

関連情報

行政不服審査制度と税理士

改正行政不服審査法においては、地方公共団体に対して審理員の指名及び不服申立ての諮問機関として第三者機関の設置を義務付けていますが、この第三者機関が関与する案件の多くが地方税法関係であることが想定されています。これを踏まえ、国会審議等において、第三者機関の委員に税の専門家を選任することが十分に想定される旨の発言があり、衆参両院における附帯決議には、申立ての分野に応じた高い専門性を有する人材確保について示されています。
税理士は、納税義務の適正な実現を図ることを使命とし、国税審判官をはじめ、その職能と専門家としての識見を活かして多様な方面で活動しています。
日本税理士会連合会及び全国の税理士会では、地方公共団体の第三者機関委員及び審理員において、地域の税理士が有識者として適正な審理に貢献できるものと考え、不服申立機関(第三者機関)及び審理員への税理士の積極的な登用を要望しています。