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第52条税理士業務の制限

税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならない。

税理士法は、税理士の使命(法1)の重要性にかんがみ、税理士業務(法2①に限る)は税理士の独占業務とし、税理士又は税理士法人でない者は、原則として、税理士業務を行ってはならないと規定されている。
また、例外として、税理士以外の者が行う臨時の税務書類の作成等(法50)、税理士業務を行う弁護士等(法51)及び行政書士等が行う税務書類の作成など(法51の2)について規定している。
この、規定に違反した者に対しては、罰則の規定(法59①四)が適用される。

業務独占の歴史と隣接士業の業務独占

【税務代弁者取締規則】
明治の末期から昭和の初期にかけて、警察による不当な税務代弁者の取締規則として制定された「大阪税務代弁者取締規則」、「京都税務代弁者取締規則」においては、無資格者に対する名義貸し行為を欠格事項としていることや事務所の名称使用制限を定めた。
【税務代理士法】
昭和17年に制定された「税務代理士法」では、税務代理士となるには大蔵大臣の許可を要件として、税務代理士業務を行うことができる者を税務代理士に限定した。昭和24年の最高裁判決において、税務代理士業務は「営利目的の有無ないし有償無償の別は問わない」ことと示されており、よって税務代理士業務は無償独占と解されている。
【税理士法】
昭和26年に制定された「税理士法」、その後改正を経た現在においても、税理士となる資格を有する者が税理士名簿に登録を受けた者を税理士といい、税理士又は税理士法人以外の者は、別段の定めを除いて、税理士業務を行ってはならないこととされている。昭和40年東京高裁判決において、税理士業務は「営利の目的をもって行ったことなどを必要としないもの」と示されている。また平成14年4月1日に既往の税理士法に関する通達を整理統合して制定された税理士法基本通達の2-1にも税理士業務は「必ずしも有償であることを要しない」と規定されており、よって現在に至るまで税理士業務は無償独占となっている。
一方弁護士法72条は「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事務に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と規定し、公認会計士法2条1項が「公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明することを業とする。」と規定しているように、弁護士業務及び公認会計士業務は有償独占となっている。