5 章の 2

第48条の19合併

税理士法人は、総社員の同意があるときは、他の税理士法人と合併することができる。
2 合併は、合併後存続する税理士法人又は合併により設立する税理士法人が、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。 3 税理士法人は、合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記事項証明書(合併により設立する税理士法人にあつては、登記事項証明書及び定款の写し)を添えて、その旨を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。 4 合併後存続する税理士法人又は合併により設立する税理士法人は、合併により消滅する税理士法人の権利義務を承継する。

第48条の19の2債権者の異議等

合併をする税理士法人の債権者は、当該税理士法人に対し、合併について異議を述べることができる。
2 合併をする税理士法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第3号の期間は、1月を下ることができない。 一 合併をする旨
二 合併により消滅する税理士法人及び合併後存続する税理士法人又は合併により設立する税理士法人の名称及び主たる事務所の所在地
三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3 前項の規定にかかわらず、合併をする税理士法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第6項において準用する会社法第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べたときは、合併をする税理士法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 会社法第939条第1項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)及び第3項、第940条第1項(第3号に係る部分に限る。)及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、税理士法人が第2項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第939条第1項及び第3項中「公告方法」とあるのは「合併の公告の方法」と、同法第946条第3項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。

第48条の19の3合併の無効の訴え

会社法第828条第1項(第7号及び第8号に係る部分に限る。)及び第2項(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第834条(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第836条第2項及び第3項、第837条から第839条まで、第843条(第1項第3号及び第4号並びに第2項ただし書を除く。)並びに第846条の規定は税理士法人の合併の無効の訴えについて、同法第868条第6項、第870条第2項(第6号に係る部分に限る。)、第870条の2、第871条本文、第872条(第5号に係る部分に限る。)、第872条の2、第873条本文、第875条及び第876条の規定はこの条において準用する同法第843条第4項の申立てについて、それぞれ準用する。

合併とは、2以上の税理士法人が合併契約により、当事者である税理士法人が解散し、その権利義務が清算手続を経ることなく包括的に存続会社又は新設会社に移転することである。すなわち、合併後存続する税理士法人(吸収合併した税理士法人)又は合併によって設立する税理士法人(新設合併した税理士法人)は、合併前の税理士法人の財産、債務等をすべて引き継ぐこととなる。
なお、当事者は税理士法人であることが要件となっており、監査法人や弁護士法人、特許業務法人等との合併は当然認められないほか、その特殊性から、会社法 793条(合併の決議)の準用はなく税理士法に独自の規定が定められている 。

合併の手続

税理士法人が合併するためには、総社員の同意が必要となる。
① 合併の登記等
合併は、合併後存続する税理士法人又は合併によって設立した税理士法人が、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって、その効果を生じることとなる。合併の登記は、合併に必要な手続が終了した日から主たる事務所の所在地においては2週間以内に、従たる事務所の所在地においては3週間以内に行わなければならない。合併後存続する税理士法人については変更の登記、合併により消滅する税理士法人については解散の登記、合併により設立した税理士法人については設立の登記をしなければならない(組合等登記令8)。
また、税理士法人が合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記簿の謄本を添えて、その旨を合併後存続する税理士法人又は合併により設立した税理士法人の主たる事務所所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。
② 債権者の異議等
税理士法人の合併は、債権者の保護を図るため、合併の登記をする前に、次の手続が必要となる。
イ 税理士法人は、債権者に対し、合併について一定期間(下限・1か月)内に異議を述べることができる旨を公告し、かつ、住所氏名の分かっている債権者には個別にこれを催告しなければならないこととされている。当該期間内に異議を述べなかったときは、債権者は合併について承認したとみなされる。
なお、税理士法人が、上記の公告を官報のほか、定款の定めに従い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法(会社法939①二準用)又は電子公告(会社法939①三準用)により行うときは債権者個別の催告は要しないとされる。

ロ 債権者が当該期間内に異議を述べたときは、その債権者に対して弁済をし、あるいは相当な額の担保を提供し、又は債権者に弁済することを目的として信託会社等に相当の財産を信託するなど債権者を保護する措置をとらなければならない。ただし、合併しても債権者を害するおそれがないときはこの限りではない。

合併の無効

税理士法人の合併において、総社員の同意が得られていない、債権者保護の手続が実行されていないなどの場合、その合併の無効を訴えのみにより主張することができる。訴えを提起できるのは、合併の効力が生じた日において、合併する税理士法人の社員等(社員又は清算人)であった者、又は合併後存続する若しくは設立する税理士法人の社員等、破産管財人、合併を承認しなかった債権者に限られる(会社法828②七、八準用)。また、訴えの期間は、合併の効果が生じた日から6か月以内に限られる(会社法828①七、八準用)。
この提起により、合併を無効とする確定判決があった場合には、無効とされた合併は将来に向かってその効力を失うことから(会社法839準用)、合併によって消滅した税理士法人は復活し、新設した税理士法人は消滅することとなる。