5 章の 2

第48条の17法定脱退

税理士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
一 税理士の登録の抹消
二 定款に定める理由の発生
三 総社員の同意
四 除名

社員が税理士法人から当然に脱退するのは、次の場合である。
① 業務廃止や死亡、登録の取消しの処分等により、税理士の登録が抹消されたとき(法26)
② 定款に定める脱退理由が発生したとき(例えば、定年に達したとき等)
③ 総社員の同意があったとき
④ 除名(裁判所が除名判決をしたとき(法48の21①、会社法859準用))
除名は、その社員の意思に反して社員資格を奪う行為であるため、社員について次の事由にある場合に、当該社員以外の社員の過半数の決議をもって、当該社員の除名を裁判所に請求し、裁判所の判決をもってのみ除名することができるものとされる。
・ 出資の義務を履行しなかったとき
・ 競業の禁止(法48の14①)に違反したとき
・ 業務の執行に当たって不正の行為をしたとき
・ 税理士法人を代表するに当たり、不正の行為をし、又は代表権がないのに代表として行為をしたとき
・ その他重要な義務を尽くさなかったとき
この除名の訴えは、主たる事務所の所在地における地方裁判所の管轄に専属し(会社法862準用)、除名判決が確定すると、当該社員の社員たる地位が剥奪される。

任意脱退

税理士法人の社員については、法48条の21第1項により会社法606条の任意退社の規定が準用され、次のとおり脱退することができる。 ① 予告による脱退
社員は、定款で税理士法人の存続期間を定めなかった場合又はある社員の終身の間税理士法人が存続することを定めた場合には、6か月前までに予告することによって、脱退する理由の如何を問わず、事業年度の終了時に脱退することができる(法48の21①、会社法606①準用)。
② やむを得ない事由による退社
税理士法人の存続期間等を定めたかどうかに関わらず、やむを得ない事由があれば、いつでも脱退することができる(会社法606③準用)。やむを得ない事由とは、社員間に信頼関係がなくなり不和確執を生じたときや業務の不振など、脱退しようとする社員の一身に関するものをいう。

持分差押え債権者による強制脱退

社員の持分を差し押えた債権者は、6か月前までに当該社員と税理士法人に対して予告をすることによって、事業年度の終了時において、その社員を強制的に脱退させることができる(法48の21①、会社法609①準用)。ただし、予告を受けた社員が弁済をし、又は相当の担保を提供したときは、予告の効力を失う(会社法609②準用)。

脱退による持分の払戻し

脱退により社員は社員たる地位を喪失し、持分の払戻しを受けることができる(死亡の場合は、社員の相続人が、持分払戻し請求権を相続する)。ここにいう「持分」とは、社員の受けるべき財産上の割合、すなわち会社の純資産額に対する社員の分け前を計算した額のことであり、出資の種類を問わず金銭をもって払い戻すことができる(法48の21①、会社法611③準用
持分の計算は、脱退の効果発生時を標準とする(会社法611②準用)。ただし、除名の場合は、除名の訴えを提起した時の財産の状況に従って計算し(会社法611⑤準用)、訴えの提起日後年6分の利率による利息を加算して払い戻さなければならない(会社法611⑥準用)。