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第45条脱税相談等をした場合の懲戒

財務大臣は、税理士が、故意に、真正の事実に反して税務代理若しくは税務書類の作成をしたとき、又は第36条の規定に違反する行為をしたときは、2年以内の税理士業務の停止又は税理士業務の禁止の処分をすることができる。
2 財務大臣は、税理士が、相当の注意を怠り、前項に規定する行為をしたときは、戒告又は2年以内の税理士業務の停止の処分をすることができる。

懲戒処分は税理士に対し不利益をもたらす処分であるので、懲戒の構成要件は、法律に明確化されていなければならず、本条及び第46条は、税理士に対する懲戒について、財務大臣の懲戒処分の権限と、懲戒の構成要件を定めている。 税理士として最も適切でない行為は、税理士が真正の事実に反する行為をし、又は脱税等に関与することである(法36)。したがって、税理士が、これらの行為をした場合には、懲戒処分のうち、最も重い懲戒である税理士業務の禁止、又は2年以内の税理士業務の停止の懲戒処分を行うべきとされている。

故意の場合

「故意」とは、事実に反し又は反するおそれがあると認識して税務代理等を行うことをいうものとし(基通45-1)、最も悪質な行為といわなければならない。 また、「真正の事実に反して税務代理若しくは税務書類の作成をしたとき」とは、税理士が委嘱者である納税義務者から提示を受けた帳簿、書類等に基づき自己の職業専門家としての知識と経験による判断をもって真正の事実に反すると認識しながら、あえてその不真正な事実について税務代理若しくは税務書類の作成をしたときのことをいう。

過失の場合

「相当の注意を怠り」とは、税理士が職業専門家としての知識経験に基づき通常その結果の発生を予見し得るにもかかわらず、予見し得なかったものをいうものとされている(基通45-2)。 税理士として通常払うべき相当の注意を怠ったことに対して、その結果の重大性から懲戒処分を行うこととしたものである。ただ、故意がある場合よりはその責任は軽く、戒告又は2年以内の税理士業務の停止の処分を受けるにとどまることとされている。