5 章 税理士の責任(第44条?第48条)

この章では、税理士に対する懲戒処分について規定されている。

税理士及び税理士法人の不正行為の類型ごとの量定等(第44条、45条、46条、48条の20)

税理士
戒告 停止(2年) 禁止
6月 1年 2年
特別の
懲戒
法45条(不真正税務代理等 1項(故意)    
(6月以内)
2項(過失)  
一般懲戒 法46条
法33条の2の虚偽記載
(1年以内)
   
法37条
(信用
失墜
行為)
自己脱税(重加)  
多額かつ反職業倫理的な自己申告漏れ(過少)  
調査妨害  
名義貸し(法37の2除く)※  
業務懈怠
(1年以内)
   
会費滞納        
その他反職業倫理的行為
法37条の2(名義貸し)  
法38条(守秘義務)  
法41条(帳簿作成の義務)        
法41条の2(使用人等監督義務)
(1年以内)
   
法42条(業務の制限)  
業務停止処分違反        
その他

※税理士業務を停止されている税理士への名義貸し

税理士法人
戒告 停止(2年) 解散
6月 1年 2年
違法行為等についての処分 法48条の20
法人固有の手続規定(成立の届出等、定款の変更、解散又は合併)        
法37条
(信用
失墜
行為)
自己脱税(重加)  
多額かつ反職業倫理的な自己申告漏れ(過少)  
会費滞納        
法41条(帳簿作成義務)        
法41条の2(使用人監督義務)
(1年以内)
   
業務停止処分違反        
その他
運営が著しく不当 社員税理士法人に法45条、46条に規定する行為
その他


第44条懲戒の種類

税理士に対する懲戒処分は、次の3種とする。
一 戒告
二 2年以内の税理士業務の停止
三 税理士業務の禁止

税理士法が懲戒処分を規定している趣旨は、いうまでもなく税理士の業務執行が納税義務者に対してのみならず税務行政に対しても重大な影響を与えるものであることから、その執行に当たり秩序の保持が強く求められていて、それを担保するというところにある。 このため、税理士法では、財務大臣の監督上の行政処分として、税理士に対する懲戒処分が規定されている。

懲戒の種類

税理士法では、懲戒処分の種類として、①戒告、②2年以内の税理士業務の停止、③税理士業務の禁止という3種類の処分が規定されている。
① 戒告
義務違反に対し、本人の将来を戒める旨の申渡しをする処分。戒告処分を受けても税理士業務あるいは税理士資格について具体的変動は生じない。しかし、戒告処分が行われた場合には財務大臣により官報に公告されることとなり、自身の信用失墜にもつながる処分である。
② 2年以内の税理士業務の停止
税理士業務を行うことを一定期間やめることを命ずる処分。停止期間について、2年以内のどの程度とするかは懲戒処分権者の裁量に委ねられているが、停止期間中は、税理士業務ができなくなるので、税理士は納税義務者との関与契約を解除しなければならない。ただ、税理士の資格についての変動は生じない。
③ 税理士業務の禁止
税理士の懲戒処分のうち最も重い処分。税理士としての欠格条項(法4七)に該当し、処分を受けた日から3年を経過する日まで税理士となる資格を失うこととなり、税理士の登録は抹消される(法26①四)。

懲戒処分の適正化(平成26年の改正)

平成26年の改正において、税理士及び税理士法人の懲戒処分のうち、税理士業務の停止に係る期間が2年以内(改正前:1年以内)とされた(法44二、45、48の20①)。
これは、近年、税理士の懲戒処分件数が増加傾向にあることを踏まえ、税理士制度の信頼性を向上させる観点から見直すこととされたものである。 また、税理士に対する懲戒処分をみると、税理士業務の禁止処分を受けた場合、法4条7号(欠格条項)が「懲戒処分により税理士業務を行うことを禁止された者で、当該処分を受けた日から3年を経過しないもの」とされ、税理士への再登録は最短で3年間できず、税理士業務を行えない期間は3年間となる。一方、税理士業務の停止の場合、改正前は最長1年以内と規定されていたので、税理士業務を行えない期間は、最長で1年間となっていた。
このように、停止と禁止の両者を比べたときに、その税理士業務を行えないこととなる期間の差異について、平仄が合っていないという問題意識があり、平成26年の改正では、その解消を図るため税理士業務の停止の期間について、2年以内への伸長が行われた。
なお、他士業の多く(弁護士法57①公認会計士法29弁理士法32行政書士法14司法書士法47等)においても、その業務停止に係る処分の期間が2年以内とされている。

国税庁ホームページにおける懲戒処分等の公表

税理士に対する懲戒処分に当たって、処分の量定の判断要素及び範囲等の考え方については、「税理士・税理士法人に対する懲戒処分の考え方」(財務省告示)として定められている。


〔参考〕
税理士・税理士法人に対する懲戒処分等件数(単位:件)

会計年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
処分等件数 34 41 50 59 41
禁止 13
停止 26 36 45 46 36
戒告

(出典)国税庁ホームページ
・税理士・税理士法人の懲戒処分等