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第42条業務の制限

国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となつたものは、離職後1年間は、その離職前1年内に占めていた職の所掌に属すべき事件について税理士業務を行つてはならない。但し、国税庁長官の承認を受けた者については、この限りでない。

税務職員出身の税理士が退職時の地位縁故を利用して不当に業務の拡張を行ったりし、社会一般から無用の疑念をもたれないようにするため、当該税理士に一定の業務制限を課している。

職の所掌(基通42-1)

「職の所掌」の範囲は、財務省設置法等関係法令又は地方公共団体の条例等の定めるところによるものとされ、分掌すべき事務が、訓令等により定められている場合には、当該訓令等によるものとされている。

所掌に属すべき(基通42-2)

「所掌に属すべき」とは、事件が国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となった者の離職前1年内に占めていた職の所掌に属していること、及び依頼があった時点において、当該職の所掌に属することとなることが客観的に高度の蓋然性をもってあらかじめ見込まれることをいうこととされている。

事件(基通42-3)

「事件」とは、法2条に規定する租税の課税標準等の調査(犯則取締り及び不服申立てを含む。)、徴収(不服申立てを含む。)及びこれらに準ずるものに関する案件をいうこととされている。

国税庁長官の承認基準(基通42-4)

国税庁長官の承認は次のいずれか一に該当するときに行うものとされている。
① 申請者の税理士事務所の所在する地方における税理士数が過少であること等の事情があり、納税者の便宜と税務行政の円滑運営を図るために承認を与える必要があると認められる場合
② 申請者が離職前1年内に勤務した税務官公署の所在地から遠隔の地に税理士事務所を設けたこと等、申請者と個々の依頼者との間に不当な情実関係の生ずるおそれがないと認められる場合
③ ①及び②に掲げる場合のほか、具体的事情を総合的に勘案し、納税者の便宜を図るために承認を与えることが適当であり、かつ、承認を与えても特に弊害がないと認められる場合

法第42条(業務の制限)に関する運用上の留意事項

国税庁は、退職後に税理士になる者においては本条の規定について十分に注意する必要があることを注意喚起し、運用上の取扱いを解説している。 ・退職職員に対する税理士業務の制限について(税理士法第42条に関する運用上の留意事項)(平成22年6月9日)