4 章 税理士の権利及び義務(第30条〜第43条)

この章では、税理士が税理士業務を行うに際しての権利と義務が規定されている。

税理士の義務規定(第30条ー第33条、36条ー43条)

禁 止 脱税相談等の禁止(法36)
信用失墜行為の禁止(法37)
非税理士に対する名義貸しの禁止(法37の2)
2か所事務所設置の禁止(法40③)
社員税理士の事務所設置の禁止(法40④)
業務の制限(法42)
業務の停止(法43)
義 務 税務代理の権限の明示(法30)
特別の委任を要する事項(法31)
税理士証票の提示(法32)
署名押印の義務(法33)
秘密を守る義務(法38)
会則を守る義務(法39)
事務所の設置(法40①②)
帳簿作成・保存の義務(法41)
使用人等に対する監督義務(法41の2)
助言義務(法41の3)
努力義務 努力義務研修受講による資質の向上(法39の2)

業務を行うにあたって求められる事項(第30条ー35条)

業務を行うにあたって求められる事項

第30条税務代理の権限の明示

税理士は、税務代理をする場合においては、財務省令で定めるところにより、その権限を有することを証する書面を税務官公署に提出しなければならない。

法2条に定める税理士の代理・代行行為は、適法な権限に基づいて行われるものでなければならない。税務官公署に対してもそのことを明示するための証拠を提示する必要があり、税理士法は、税理士が税務代理をする場合にその権限を有することを証する書面(税務代理権限証書)を税務官公署に提出しなければならないこととされている。

税務代理権限証書の様式統一

平成13年の改正で地域により異なっていた様式が統一され、同様式により、
① 包括的な委任が可能となった。
② 税目及び年分について複数の税務代理をまとめて3つまで記載できることとなった。
③ その他の事項には税務代理から除外する事項、または税務代理の範囲を限定する場合にその旨を記載することとなった。
平成26、27年度税制改正に伴う国税通則法及び税理士法の一部改正により、税務代理権限証書の様式が改訂され、
① 「過年分に関する税務代理」欄及び「調査の通知に関する同意」欄が設けられた(平成26年度税制改正)。
② 「税務代理の対象に関する事項」について、税務調査の度合いが多い税目と思われる「所得税」、「法人税」、「消費税」及び「源泉徴収に係る所得税」についてあらかじめ記載できるようになった(平成26年度税制改正)。
③ 「代理人が複数ある場合における代表する代理人の定め」欄が設けられた(平成27年度税制改正)。

税務代理権限証書の提出時期

原則として、最初に代理・代行行為をするときであり、通常は、申告時に税務申告書に添付して提出することとなる。

調査の通知(法34条)及び意見の聴取(法35条1項)との関連

この税務代理権限証書の提出は、税理士に対する税務調査の事前通知(法34)、及び計算事項、審査事項等を記載した書面を添付した税理士に対する税務調査の事前通知前の意見聴取(法35①)等の要件となっている。