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第24条登録拒否事由

次の各号のいずれかに該当する者は、税理士の登録を受けることができない。
一 懲戒処分により、弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、弁理士、司法書士、行政書士若しくは社会保険労務士の業務を停止された者又は不動産の鑑定評価に関する法律第5条に規定する鑑定評価等業務(第43条において「鑑定評価等業務」という。)を行うことを禁止された不動産鑑定士で、現にその処分を受けているもの
二 報酬のある公職(国会又は地方公共団体の議会の議員の職、非常勤の職その他財務省令で定める公職を除く。第43条において同じ。)に就いている者
三 不正に国税又は地方税の賦課又は徴収を免れ、若しくは免れようとし、又は免れさせ、若しくは免れさせようとした者で、その行為があつた日から2年を経過しないもの
四 不正に国税又は地方税の還付を受け、若しくは受けようとし、又は受けさせ、若しくは受けさせようとした者で、その行為があつた日から2年を経過しないもの
五 国税若しくは地方税又は会計に関する事務について刑罰法令に触れる行為をした者で、その行為があつた日から2年を経過しないもの
六 次のイ又はロのいずれかに該当し、税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者
イ 心身に故障があるとき。 ロ 第4条第4号から第11号までのいずれかに該当していた者が当該各号に規定する日から当該各号に規定する年数を経過して登録の申請をしたとき。 七 税理士の信用又は品位を害するおそれがある者その他税理士の職責に照らし税理士としての適格性を欠く者

日本税理士会連合会は、登録申請書を受理した場合に、その申請者が税理士となる資格を有せず(法4)、又は登録拒否事由に該当する者であると認めたときは登録を拒否しなければならない。この「登録拒否事由に該当する者」は次のとおり規定されている。

登録拒否事由のまとめ

懲戒処分による弁護士等の業務停止等の処分中の者
報酬のある公職者
不正に国税等の賦課徴収を免れた等の行為があり、その行為から2年を経過しない者
不正に国税等の還付を受けた等の行為があり、その行為からから2年を経過しない者
国税等又は会計の事務につき刑罰法令に触れる行為があり、その行為から2年を経過しない者
以下のいずれかに該当し、税理士業務を行うのに適正を欠くおそれのある者
イ 心身に故障があるとき
口 法4条4号~11号までのいずれかに該当する者で、各号の規定する年数経過後に登録申請したとき
信用失墜等のおそれがあり税理士としての適格性を欠く者

報酬のある公職

税理士は、「独立した公正な立場」で業務を遂行しなければならず、使命にかんがみて報酬のある公職に就いている場合は、税理士となるに相応しくないとされている。
この場合の「報酬」とは、一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付をいい、費用の弁償は含まれないものとする(基通24-1)。
また「公職」とは、おおむね、国会、裁判所、国の行政機関、都道府県及び市町村、地方自治法に規定する特別区、地方公共団体の組合、財産区及び地方開発事業団のすべての職をいい、その職は公選のものであると否とを問わない(基通24-2)。
税理士の登録申請があった場合に、その申請者が、報酬のある公職(国会又は地方公共団体の議会の議員の職及び非常勤の職を除く。)に就いている者に該当するときは、その職務に専念しなければならず、税理士業務を行わせることは適当でないことから、日本税理士会連合会は、その登録を拒否しなければならないこととされ(旧法24二)、また、税理士が、報酬のある公職に就いた場合には、その職にある間は税理士業務を停止しなければならないこととされている(法43)。
この報酬のある公職については、国会又は地方公共団体の議会の議員の職及び非常勤の職については、例外として除かれているが、平成26年の改正において、税理士に求められる社会貢献をよりよく遂行できるよう、「国税又は地方税の賦課又は徴収に関する事務に従事する職以外の公職であって、国家公務員法その他の法令(条例を含む。)又はその公職の服務に関する規範により税理士業務との兼業が制限されていないもの」がその例外事由に追加された(法24二、規12の2基通24-2)(図表「税理士業務の停止」)。
「国税又は地方税の賦課又は徴収に関する事務に従事する職」については、普通地方公共団体の長(地方自治法149三)など、賦課・徴収権者等が納税義務者の税務代理人になることは利益相反の関係になること等から税理士業務との兼業を認めることは適当でない。また、兼業の制限のある公職としては、国家公務員(国家公務員法103①)、地方公務員(地方公務員法38①)、国務大臣等(国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範(平成13年1月6日閣議決定)などが該当する。
したがって、例えば、兼業禁止規定の適用を受けない地方公共団体の監査委員のような公職が、税理士登録の拒否事由及び税理士業務の停止事由とされる「報酬のある公職」から除かれることとなる。

心身に故障のある者

この規定に該当する場合は、委嘱者に不測の損害を与える虞があるため登録拒否事由の一つとなっている。ただし、精神的又は身体的な機能の欠陥(故障)があっても、税理士業務を行うための職責を全うできない程度に著しく適正を欠く虞がない場合は、登録拒否事由に当らない。
なお、成年後見制度のうち、欠格条項に該当しない「被補助人(精神上の障害により判断能力が不十分な者のうち、後見及び保佐の程度に至らない軽度の状態にある者)」は、この規定に含むものと解されている。
なお、申請者が「適正を欠くおそれがある者」に該当するか否かの判断の参考とするため、登録申請に当たって、成年被後見人等でない旨の官公署の証明書を登録申請書に添付することとされている(規11②五)。

懲戒免職等となった公務員等に係る税理士への登録拒否事由等の見直し

税理士となる資格を有する者が税理士となるには、日本税理士会連合会が備える税理士名簿への登録が必要とされているが(法18、19)、欠格条項に該当する者は、当然その登録を受けることができないこととされている(旧法24)。
平成26年の改正においては、さらに一定の欠格事由に該当していた者に係る登録拒否事由の見直しが行われ、法4条4号から11号までのいずれかに該当していた者が、その欠格期間を経過して登録の申請をしたとしても、当該申請者が「税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある」場合には、その登録が拒否されることとなった(法24六ロ)(図表「懲戒免職等となった公務員等に係る税理士への登録拒否事由等の見直し」)。
この改正は、国民・納税者の税務行政・税理士制度への信頼を確保する観点から、欠格条項の見直しと合わせ、措置されたものである。
欠格期間経過後の登録申請については、その申請者に税理士の職務を行わせることが適正を欠くと認められる場合には、改正前においても「税理士の信用又は品位を害する虞があり、その他税理士の職責に照らし税理士としての適格性を欠く者」(旧法24七)として、その登録を拒否することも可能と考えられるが、今回、法律上明確化することにより、欠格期間が経過したとしても自動的に税理士として登録を受けられるわけではないことが明白となるため(基通24-7)、税理士制度の信頼性向上にも資するものである。
なお、弁護士法(登録又は登録換えの請求の進達の拒絶・同法12①二等)においても、同じ趣旨から、同様の規定が設けられている。

【参考】
昭和24年5月12日衆議院法務委員会衆議院法制局参事の答弁
弁護士法における本規定の趣旨として「3年経ってから請求して来たときにも、尚これを弁護士として職務を行わせるということが弁護士業務の重要性から適正を欠く虞れがあると認められたときには進達を拒絶することができるということにいたした」とされています。

懲戒免職等となった公務員等に係る税理士への登録拒否事由等の見直し(第24条6号、7号)

懲戒免職等となった公務員に係る税理士への登録拒否事由等の見直し

※1 基通24-7(税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者の判定)
※2 基通24-8(税理士の信用又は品位を害するおそれがある者の判定)

資格審査会の議決

法24条1号から5号までに掲げる登録拒否事由は客観性があり事実をもって証拠づけることができるが、同6号及び7号は主観的な要素が強く、その認識について争いが生じる場合も考えられる。そこで、法22条で、日本税理士会連合会が税理士の登録を拒否しようとするときは、資格審査会の議決に基づいて行うことを要し、さらに、あらかじめその申請者に対して登録を拒否しようとする旨を通知して、相当の期間内に申請者自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならないこととされている(法22)。